こんにちは!竹内です。
先日、宅地建物取引士の法定講習を受けてきました。
資格取得後、5年に1回更新のタイミングで講習を受けなければなりません。取得・更新後の5年の間に法改正された部分を重点的に講習受けます。
2017年5月26日に、民法(債権法)の改正法案(以下「改正民法」といいます)が成立し、2020年4月1日に施行されることになりました。
この改正は、民法制定以来約120年ぶりに債権部分を抜本的に見直すもので、改正項目は約200項目に及びます。その中でも住宅に関わる部分を抜粋してお伝えします。
◆瑕疵担保責任の改定のポイント◆
【売買契約における現行民法の瑕疵担保責任と改正民法の契約不適合責任の相違】
※瑕疵(欠陥)という定義が「契約内容の不適合」による責任に大きく変わっています。
現行民法 → 改正民法 の順で改定内容をまとめています。
●法的性質
法定責任(通説) → 債務不履行責任(契約責任)
●対象
隠れた瑕疵 → 契約の内容に適合しないもの
●契約解除
契約の目的を達成できない場合:可 → 催告により:可 、 不履行が軽微である場合:不可
●損害賠償請求
無過失責任・信頼利益に限られる → 売主の帰責事由が必要・履行利益も含まれる
●追完請求
不可 → 履行可能であれば:可、買主の責めに帰すべき場合:不可
●代金減殺請求
(数量指示売買を除き):不可 → 催告により:可 、買主の責めに帰すべき場合:不可
●権利行使の保全方法
知ってから1年以内に損害賠償等の請求が必要 → 知ってから1年以内に契約不適合の事実の通知で足りる
●その他ポイント
・改正民法においては、売買の目的物について買主が欠陥を認識していたり外形上明らかな欠陥があった場合でも、「契約の内容に適合しない」場合がありうることから、従来のように「隠れた」ものである必要はないことになります。
・損害賠償請求は売主の帰責性(過失)が必要となります。
損害賠償請求に加えて履行の追完(修補・代替物の引渡し等)、代金減額請求も併せて行うことができます。
上記内容に改正されるのは2020年4月1日です。現時点では瑕疵担保責任が現行の民法となりますのでご注意ください。