ご家族の要望に合わせて、間取りを自由にプランできるのが注文住宅の大きなメリットです。
ところが、あまりよく考えずにプランニングを進めてしまうと、実際に暮らし始めてから後悔することがあります。
そんなことにならないよう、暮らしに合った間取りをプランするための5つのポイントをご紹介します。
現在の家族構成
間取りをプランするとき、家族の誰か1人だけの考えで進めてしまうのは、あまりおすすめできません。なぜなら、満足度の高い家を実現するには、そこに住まう家族全員の希望や暮らしやすさを考慮した上でプランする必要があるからです。
たとえば子育てファミリーの場合、子どもの安全性や今後の生活に配慮した間取りを考える必要があります。どこにいても子どもの様子をうかがえるように、見通しのよい間取りにすることや、リビングにキッズスペースやスタディコーナーを設けて、子どもの居場所をつくることも大切です。ご主人の帰りが遅いお宅は、寝ている子どもを起こさないように、トイレや浴室の音が響かない場所に寝室を設ける場合もあります。
このように、まずご家族で話し合いをして、それぞれの希望や意見を理解した上で、現在の家族構成に合った間取りを考えることが重要です。
将来の家族構成
間取りは、家族の将来を見据えてプランニングすることも大切です。「将来的に子どもは3人ほしい」「親と同居する可能性がある」など、家族のライフプランによって住まいに求める内容も変わってきます。
また、いずれは子どもが独立して家を出て行く場合も考えられるので、夫婦二人暮らしになった場合でも快適に過ごせるような間取りを考える必要があります。
子どもがいなくなった後、子ども部屋をどのように活用するのか。また、子どもが増えた場合や、大きくなってプライバシーを尊重する必要が出てきたときに、どう対応するのか。将来のことまで検討しておくことが大切です。
もちろん、将来の暮らしが必ずしも思い描いた通りになるとは限りません。しかし、できるだけ色々なシミュレーションをして、フレキシブルな使い方ができる間取りを考えておくことで、将来的に家族構成が変わっても暮らしやすい家を実現できます。
建物の向きや位置
実際に生活する上では、間取りだけでなく、土地に対してどのように家が建っているのかも暮らしやすさを左右する大きなポイントです。
道路に対して玄関が近すぎたり、逆に、遠すぎたりすると、日常生活が不便になるだけでなく、防犯性にも問題が生じます。
さらに、「家の向きが悪いので、リビングの日当たりが悪い」、「ベランダに日が当たらないので、洗濯物が乾きづらい」といった問題も起こるかもしれません。
どの向きに家を建てるのか、道路や近隣環境との兼ね合いはどうか、景観はどうかといったことも、総合的に考慮した上で設計することが大切です。
生活動線
注文住宅は自由な間取りが叶うので、広々とした玄関ポーチや、吹き抜けのリビング、アイランドキッチンなど、住宅雑誌で見るような憧れの空間をプランに詰め込むことに、ついつい夢中になりがちです。しかし、住宅は見て楽しむものではなく、あくまでも毎日快適に暮らすためのもの。1つひとつのパーツにこだわるだけでなく、実際に暮らしたときの総合的な暮らしやすさや、それぞれの設備の相互関係について考慮しながら内容を詰めていきましょう。
プライバシー
デザイン性を高めるために、大開口や吹抜けを設けた開放的な間取りが採用される場合がありますが、その際に注意しなければならないのは、プライバシーの保護です。
家族間のプライバシーはもちろん、お客様を招いたときも想定して、客間とプライベート空間との間に適切な距離をとるようにしましょう。特に、水回りやトイレの位置、子ども部屋への動線、寝室などは、プライバシーに配慮して配置する必要があります。
このように、注文住宅は自由度が高いことが大きなメリットですが、ご家族全員が末永く快適に暮らせる住まいを実現するには、さまざまな観点から間取りを検討する必要があります。今回ご紹介したポイントを踏まえて、より快適な住まいづくりを実現しましょう。
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