「スクラップ・アンド・ビルド」という言葉があるように、建物を建て替える際には、必然的に古い建物を解体しなくてはなりません。
解体工事は、建て替え工事の前哨戦ともいうべき重要な段階。
ここで問題が生じると、近隣トラブルや建て替え工事の遅延、全体費用の超過など、後々の工事に悪影響を及ぼしかねません。そのため、信頼のおける解体業者に工事を依頼する必要があります。
また、解体工事は木造住宅や鉄骨造、R C造など、建物の種類によって工事の内容が異なります。
そこで今回は、重量鉄骨造の建物にフォーカスし、解体業者を決める際に注意すべきポイントをまとめました。
解体業者を金額だけで決めるのは軽率!?
古くなった建物を建て替える際、「新しくつくるものにお金がかかるのは仕方ないとしても、解体して廃棄するものにあまりお金がかかるのはちょっと・・・」とお考えになる方も多いでしょう。
それゆえ、解体費用をできるだけ抑えたいと考えて、見積もり金額で業者を選ぶケースもしばしばみられます。
また、解体工事はおおかたの場合、施工会社に新築工事と一緒に一括発注する場合がほとんどですが、コストダウンを目的に、分離発注の形で直接解体業者に工事を依頼するケースもあります。
しかし、安易に金額の安さだけで業者を選ぶのは非常に危険です。
なぜなら、金額の安い業者は、解体に伴って必要な調査や届出、安全対策などを怠っているケースがあるからです。
後々のトラブルを防ぐためにも、解体費用の見積もりの中に必要な内容が含まれているかどうかを、しっかり確認するようにしましょう。
解体工事の流れ
では、実際に重量鉄骨造の解体工事にはどのような内容が含まれるのでしょうか。
まず、解体工事の流れを簡単にご説明します。
① 足場や養生の設置
解体工事の準備として、足場や養生を設置します。解体工事中は騒音や振動の発生、ほこりや粉塵の飛散などにより、隣近所の方々に迷惑をおかけすることになります。そのためにも養生をしっかりと施す必要があります。
② 内装の解体
建物の内装や石膏ボード、窓ガラス、サッシなどを手作業で解体・撤去します。
③ 屋根や外壁材の撤去
建物の屋根や外壁材を撤去します。事前調査によって、屋根や外壁材にアスベストが使用されていることがわかった場合には、屋根や外壁を撤去する前にアスベストの除去作業を行う必要があります。
④ 地上解体
鉄骨造の建物を切断して鉄骨を細かくバラし、解体・撤去します
⑤ 基礎の解体
地中にある基礎の部分を解体・撤去します。
⑥ 後片付けと整地
基礎の解体が終わったら、後片付けを行い、ローラーなどを使用して地面を平らにし、新しい建物を建てられる状態に仕上げます。
解体工事の費用にはどんな内容が含まれているの?
解体工事はこのような流れで行われていますが、解体業者を選ぶとき、見積もりの内容に以下が含まれているかをチェックする必要があります。
■ガードマンの人件費
市街地などで解体工事を行う場合には、近隣の方々や歩行者の安全に細心の注意を払わなければなりません。
また、工事車両の出入りも頻繁にあるので、安全対策を徹底するためにガードマンを配置します。
■ほこり、粉塵対策
解体工事中に出るホコリや粉塵が飛散すると、近隣の人々の暮らしに悪影響を及ぼします。
そのため中村建設では、養生を徹底するとだけでなく、ほこりが立たないように散水作業も行っています。
■アスベスト調査や各種の届け出
建物を解体する際には、事前にアスベスト調査を行うことが義務付けられています。
事前調査の結果、アスベスト含有建材があると認められる場合は、解体工事実施時のアスベストの飛散防止対策が必要になります。
これらの項目は、すべて近隣の方々や歩行者の方々の安全対策に関わるものであり、これらの項目が見積もりに含まれているか・含まれていないかで全体の工事費用に大きく差が生じます。
解体業者のなかには、これらを費用に入れずに全体費用を安く見積もって提示する会社もあるので、業者を選定する際には決して金額だけで選ばず、工事の内容に上記のような項目が含まれているかをしっかり確認することが大切です。
解体時に近隣からクレームが出たり、トラブルや事故が生じたりすると、その対策のために余分な費用が必要になったり、その後の新築工事においても工事の遅延が生じたりする可能性があります。
完成後も近隣との関係を良好に保ち、快適に暮らすためには、こうした安全対策を万全に行う必要があります。
そのため、中村建設では安全対策を徹底しています。
解体工事に必要な各種の届出
解体工事を行う際には法律上の規定や手続きが必要になります。
また、お施主様ご本人も届け出が必要なものがあるので、事前に理解しておきましょう。
① 家屋の減失届
家屋を取り壊された方は、該当家屋の所在する区の担当グループまで電話、または郵送で減失届を郵送すると、担当職員が現地調査に伺います。なお、取り壊した家屋が登記されている場合、法務局(登記所)への手続きも必要になります。
詳細は、浜松市のホームページをご参照ください。
② 建設リサイクル法に関する届け出
「建設リサイクル法」とは、建設工事に関する資材のリサイクルに関する法律です。
解体工事を行う際には、コンクリート片や木屑など、さまざまな廃棄物が生じます。
「建設リサイクル法」には、それらの廃棄物を適切に処理し、リサイクルするための規定が定められています。
解体工事で生じた産業廃棄物は、細かく分別する義務があります。
特定建設資材(コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)を用いた建築物等で、一定の規模以上※の解体工事を行う場合、その工事の発注者又は自主施工者は工事着手7日前までに建設リサイクル法の届出が必要です。※延べ80㎡以上の建物、延べ500㎡以上の新築・増築建物
詳細は、浜松市のホームページをご参照ください。
まとめ
このように、解体工事は実際の工事以外に必要な安全対策や調査などの費用が色々と含まれます。
工事業者を金額の安さで選ぶと、これらが含まれてない可能性があり、たとえ金額は安くても、近隣とのトラブルが生じた場合は後味の悪い結果になり兼ねません。
解体工事の段階で近隣との関係性が悪化すると、その後もずっとトラブルが続くことになります。
そんなことにならないように、解体業者を選ぶ際には金額だけでなくしっかりと工事内容を確認して選びましょう。
中村建設が解体工事を請け負う際には、上記のような安全対策や必要な調査・届け出を徹底し、万全な体制のもとで工事に臨むようにしています。
見積もり内容も明確にご提示いたしますので、解体工事から安心して工事をお任せください。