内装選びでは、部屋に入ったときすぐ目に入る壁や床を重視しがちで、天井については「壁の延長」という捉え方があり、あまりこだわらないケースが多いようです。
しかし、天井は、空間の広がりという面では視覚的に大きな影響を与える存在。同じ広さの空間でも、天井の形や素材によって印象が大きく変わります。
そこで、お部屋をいっそうオシャレに演出するために、表情豊かな天井をつくる秘訣をご紹介します。
天井の種類
天井には色々な種類があり、どんな天井を採用するかによって室内の印象が大きく変わります。そこで、主な天井の種類をご紹介しましょう。
■平天井
床に対して平行に設けた、平らな天井のことを「平天井」といいます。天井の中でも最もポピュラーなタイプで、和室や洋室などに幅広く利用されます。費用を抑えられるのもメリットです。
こちらは、平天井とダウンリビングを組み合わせた事例です。天井はシンプルな形状ですが、リビングを一段下に下げてゾーニングを図り、リビング空間に落ち着きが生まれました。
■勾配天井
屋根の形に沿って傾いた天井のことを、「勾配天井」といいます。切妻屋根の場合は棟木を中心として左右に傾斜があり、片流れの屋根の場合は片方だけに傾斜があります。
勾配天井は、平天井よりも天井高を大きく確保できるため、開放感が生まれます。また、上部にハイサイドライトを設けると、明るさをいっそう確保できます。ただし、平天井よりもコストはかかります。
こちらの事例は切妻屋根の頂点を中心に、左右に傾きのある勾配天井です。キッチンの上にはロフトを設け、勾配天井のゆとりある天井高を無駄なく利用しています。
■下がり天井
天井の一部が下がって段差を付けた天井です。マンションに採用されることが多いですが、一戸建てでも空間をゾーニングしたり、アクセントを付けたりするために導入されます。高い天井の一部をあえて下げることで、落ち着いた印象をもたらす効果もあります。
上記の事例では、キッチンスペースを下がり天井にして、その上にロフトを設けてあります。
■折り上げ天井
天井の中央部分にくぼませて、周囲よりも一段高くした天井です。折り上げ天井は、リビングや玄関に採用される場合が多いですが、寝室や和室などに使われる場合もあります。天井の一部を高くすることで縦横に広がりが生まれ、室内をより広く見せる効果があります。
上記の事例は、折り上げ天井を利用したリビングです。折り上げ天井の中央にシーリングライトを、そして、それを囲むように間接照明を設けて、ラジグジュアリーな空間を演出しました。折り上げ天井の場合は、このようにして間接照明を上手に活かすと、空間に豊かな表情をもたらすことができます。
■船底天井
船を逆さまにしたような形で、中央が高くなっている天井です。船底天井は、お寺や数奇屋造りの茶室など、和風建築に採用されることが多く、伝統的な「和」の空間を演出します。空間を広く見せる効果があり、部屋全体に落ち着いた雰囲気をもたらすのが特徴です。
天井の素材の選び方
天井は室内でも大きな面積を占め、家具に隠れる壁や床とは違って全体が見渡せます。そのため、天井の素材の種類や色目によって、室内の雰囲気が大きく変わります。個性的な色や素材を選ぶと、室内に入ったときの視線を引き付け、室内をスタイリッシュに演出できます。
天井高に制限がある場合は、高さによる効果の代わりに、色や素材で工夫することで開放感やインパクトをもたらすことができます。
天井を壁や床よりも薄い色にすれば縦横に広がりのある印象に、逆に、濃い色にすればこぢんまりとした印象に見えます。
上記の事例は、天井のみグレーのクロスを用い、さらに間接照明を設けた事例です。壁よりも色を濃くした状態に、間接照明の効果が加わり、縦の空間に広がりと表情を持たせました。
天井の素材には、ビニールクロスが用いられる場合が主ですが、珪藻土や塗料、無垢材などの木材、コンクリートなど、使う素材によって室内のインテリアにも影響を与えるので、よく検討することが大切です。
また、天井の素材も室内の雰囲気を左右します。
上記の事例は、天井に無垢材を用いた住まいです。家具や床材と同様に、天井も木材の品質によっては温もりを感じることができます。
もともと、日本の住宅の室内天井は板張りでした。天井を無垢板張りにすると、縦または横方向にラインが生じます。このラインによって視線が奥に伸び、奥行に深みを持たせることができます。
また、天井は家具のように人が手で触れることはほとんどないため、人が触った摩擦による表面の質感の変化もほとんどありません。ただし、色あいの変化は家具と同じように生じるため、年月を経るほど色艶が増し、経年美を楽しめます。
上記の事例では、天井に木目を用いることで、重厚感のある洗練されたインテリア空間を実現しました。
中村建設のコーディネート事例
そのほかにも、天井周りのデザインが住まいの印象を決定づける事例がたくさんあります。
こちらの事例は、天井いっぱいまでのハイサッシを設け、室内に開放感をもたらした住まいです。
ハイサッシを採用すると、デザイン的に無駄なラインを省くことができ、しかも開放感も絶大なので、よりスタイリッシュで開放的な住まいを実現できます。
これら2つの事例は、吹き抜けをリビングに設けたケースです。どちらも高窓を設けてあり、明るさをたっぷり確保しました。
まとめ
このように、天井の形状や素材、色合いで、空間の表情が大きく変わります。
中村建設では、お客様のイメージに合わせて、縦横の広がりや見た目の解放感やデザイン性を考慮した天井をご提案しています。家を建てる際にはぜひご相談ください。
その他の事例もご参考ください。
https://www.n-house.jp/works/
Writer>>>中村建設(株)住宅事業部 家づくりアドバイザー 中村真由美
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