H様ご家族は、掛川で長く続く老舗の製茶会社を営んでいらっしゃいます。築80年ほどの旧家を建て替えようと考えたのは、地震への備えが一番だとのこと。
ところで、H様は知人の中村建設の社員と同級生とのことで、建て替えのお話があったのはもう3年ほど前のことだったいいます。裏山の斜面が県の土砂災害特別警戒区域に指定されることになり、その指定前によう壁の工事を行うことを受けて同時に建て替えとなりました。この辺りは土木にも詳しい中村建設の強みであると言えます。
まず、玄関口に広い石土間から、引き障子のある和室が目に入ります。「お客さんがひょいと尋ねてきて、お茶でも飲んでいけるようにと考えたんです。」とH様。昔の商家の造りのようなイメージです。
その右手には上がり框から南北へ広い廊下が抜けています。玄関からのこの空間を作る要素が、アメリカンブラックチェリーの無垢の床材と天井板。きりっとした潔さが感じられます。そこに間接照明が陰影を出して柔らかさを醸し出しています。
リビングダイニングは洋風の要素を織り交ぜながら、やはり無垢材を大胆に配した造りで落ち着いた空間になっています。また外のウッドデッキと繋がるよう、ノンレールサッシとし、引き分ければ、庭までの大開放空間となります。
玄関、和室、リビングとエコカラットを設置して、湿気や匂い対策をとっています。
「家は新しい方が良い」とおっしゃるH様。現在の建築技術、建築材、ソーラー他の住宅システムなどはすばらしく、しかも安全。それらをうまく使って快適な住まいにすることが、気持ちの上でも安心でき、健やかに暮らせると結んでくれました。
奥へと抜ける廊下。ご主人お気に入りの玄関土間から客間。ちょっと腰掛けておしゃべりができる。
もともとあった井戸を改装。斜面で殺風景な裏庭のポイントに。